事務局幹事 本多 宏之 挨拶

本多

仏教の世界観に「袖すり合うも他生の縁」という言葉があります。
人との出会いは大切にしなさいよ、という格言みたいなものですが、岡山新選組準備会の発足を振り返って見ますと、まさしく「縁」を感じずにはいられません。

それまでは川原正敏さんの漫画「修羅の刻 風雲幕末編」や渡辺謙主演の時代劇ドラマ「壬生義士伝~新選組でいちばん強かった男~」などで新選組は好きだったのですが、小説や歴史本などを読んで「土方歳三の生き様に憧れるなあ。でも自分は永倉新八の生き方も好きだな。」などと思ってるくらいでした。
大河ドラマの時に観光のついでで京都と日野には行きましたが、積極的に史跡巡りをしようとか行動することはありませんでした。
新選組が好きといっても、たぶん普通の人ならこの程度のものでしょう。

それが、たまたまインターネットで閲覧した新選組ファンの個人サイトで「新選組まつり」や「隊士パレード」の存在を知り、そのサイトの管理人のイベント・レポートを読んで「こりゃ面白そうだな」と思ったのが始まりでした。
そのサイトを偶然見つけたのも「縁」だったのかも知れません。
すぐに浅葱の羽織、鉢金を揃え、翌年には京都でのパレードに参加していました。
このとき、岡山からの参加者は私一人でした。
その次の年も…。
「岡山には新選組ファンなんてほとんど居ないのでは?」と身近に趣味を共有できる仲間が居ないことを寂しく思っていました。

ところが、2008年5月に「ひの新選組まつり隊士コンテスト」に初めて出場し、永倉新八の役をいただいた時、主催者側から「永倉新八の生まれた長倉本家のご子孫が岡山に居る」というのを聞かされ、たいへん驚きました。
さらに、その翌年も永倉新八役をいただき、「岡山からのただ一人の参加者が偶然にも2年連続で永倉新八役を務める」という「縁」で、岡山在住のご子孫・長倉達郎さんと知り合いました。
そして、2009年5月に日野新選組同好会主催の岡山ツアーが開催され、なんと岡山からも多くの参加者が!「私は独りぼっちじゃなかったんだ。」ちょっとした感動でした。

おそらく他の参加者の皆さんも同じことを思ったのではないでしょうか?
せっかくのこの出会いをこのままで終わらせるのは勿体ない。
偶然の出会いを「縁」にするべく、長倉さんが呼び掛け、清水さんが場所を提供して「お茶しながらの座談会」という形で有志が集まったのが2009年6月7日。
このときの17人がいなければ、今の会は存在していません。
その後、何度かの座談会と有志によるツアーを重ね、春を迎える頃には「このまま茶飲み友達の集まりで行くのか、それとも同好会を目指して組織作りをするのか」という大きな選択をすることになりました。

正直、組織を作っていくことの重圧はあったのですが、「縁」があって知り会えた仲間たちが背中を押してくださり、2010年4月10日 同好会を目指すための準備会を設立することになったのです。
やめようと思えばいつでもやめれたのに…。
こうなったのも「縁」の成せる業だと言わざるを得ません。

これからもいろんな人と「縁」があることでしょう。
その人たちのご協力も得ながら、会員の総力でこの会をきちんとした組織にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

最後に、私が居合道教士八段の先生から教わった言葉で挨拶を締めたいと思います。

   小才は縁に出会って縁に気付かず、
   中才は縁に気付いて縁を生かせず、
   大才は袖すり会った縁をも生かす。

   (出典は柳生新陰流の柳生一族の家訓)

あなたが当会のサイトをご覧になったのも何かの「縁」だと思います。
新聞記事、チラシ、どなたかのブログ、もらった名刺、等々…。
URLを知ったきっかけは様々でしょう。
しかし、あなたは自分の意思でここにアクセスしたのです。
つまり「縁」に気付いたということです。

あとは「縁」を生かすも殺すもあなた次第です。

事務局幹事 本多 宏之


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